About us

 
 

 動物生殖システム分野(理学部動物学教室放射線生物学講座が前身)では、メダカを実験動物として放射線の生物影響の解明を行ってまいりました。

 放射線に被ばくするとゲノムが損傷します(DNA 損傷)。生命は極めて高度にDNA損傷を修復します(DNA修復)。ただし、修復の精度は100%正確とはできませんので、低い確率で直し間違いが生じます(突然変異)。突然変異がゲノム=生命の多様性の元であり、進化の原動力と考えられてきました。

 メダカの放射線影響の研究は、メダカの遺伝子の研究となり、それが日本の野生メダカの遺伝的多様性の発見をもたらしたことにより、さらにメダカの環境適応のメカニズム、進化のメカニズムの研究に拡がりました。

 2007年より、JAXA(宇宙航空開発研究機構)と共同し、国際宇宙ステーションでメダカを飼育するプロジェクトに参加しました。「健康である」とはいかなる状態であるのか、根本から再考し、「動物は動いてなんぼ、問題なく動ける状態が健康な状態であり、運動に異常がある状態が不健康な状態である」という結論に至りました。メダカの動きをいろいろビデオカメラで撮影して数値化し統計的に評価する手法で、メダカのココロとカラダの全部を数値化する研究を開拓しました。

 2011年3月の福島第一原発事故の後は、低線量率放射線の慢性的被ばくの生物影響をメダカ成魚で調べてきました。また、食べ物を洗う超音波洗浄機の研究開発を行ってきました。その結果、低線量率放射線の慢性的被ばくは細胞生理的には酸化ストレスがかかるのと同義であり、新鮮な野菜・果物を食べて抗酸化力を補給する、酸化していない(=新鮮な)肉類、魚介類を食べる、毎日を安心して暮らす、の3つにより健康影響を軽減できるはずとの確信に至りました。

(文責:尾田正二)

 

私たちの研究室について

研究室への訪問はいつでも大歓迎いたします。お気軽にお問い合わせください。
ただし、現在学生の募集はいたしておりません。ご了承ください。


本研究分野の研究に関するお問い合わせは、 尾田正二 へお願いいたします。

All Rights Reserved, Copyright(C), Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo , Laboratory of Genome Stability