最近の主な研究テーマ

  1. 「メダカcDNAの大規模シークエンスとマッピング」
    哺乳動物ゲノムと基本セットを共有しながら系統的には最も離れた動物である硬骨魚類のゲノム情報が非常に有用である。このため、cDNA情報の大規模な収集とその連鎖解析やFISH法を用いたマッピングにより、メダカゲノムの構造をcDNAマーカーの遺伝子地図の側面から明らかにしている。またこれらの情報をもとにメダカ突然変異体の原因遺伝子を同定し、遺伝子の新規機能を解析することが可能となった。我々が明らかにしたゲノム倍加の結果としての魚類特異的な遺伝子レパートリーの多様性を解析し、脊椎動物の遺伝子機能の多様性を明らかにすることを目指している。


  2. 「DNAチップを利用したメダカのゲノム多様性の解析」
    メダカでは、種内・種間の多様な変異が知られている。近年の魚類ゲノム科学の成果を活用し、野生集団の遺伝的多様性を網羅的且つ簡便に解析するDNAチップ技術を用いたゲノムプロファイリング手法を提供することを目指す。この手法は、野生集団のゲノム動態を明らかにするための世界初の試みであり、水産資源の保全、積極的な育成に向けた新たな産業創成につながる技術である。


  3. 「電離放射線高感受性メダカ突然変異体のスクリーニング」
    メダカ大規模突然変異体スクリーニングの一環として電離放射線高感受性系統の樹立解析を進めている。これは環境変異源のモニターとして有用であるばかりでなく、ゲノム安定機能に関わる新規機能遺伝子の探索モデルとしても有用である。現在分離されている系統について個体レベルの解析とともに原因遺伝子のポジショナルクローニングを進めている。


  4. 「メダカ色素胞形成異常突然変異に関与する遺伝子の単離」
    ヒメダカは,黒色素胞形成に関与するb遺伝子座の突然変異体である.この突然変異遺伝子のポジショナルクローニングに成功した。現在b遺伝子の機能とその他の体色に関わる遺伝子のポジショナルクローニングを進めている。


  5. 「生殖細胞突然変異成立機構の解明」
    生殖細胞突然変異の検出が容易なメダカを用いて、配偶子形成、受精における変異体の分離を進め、種形成、種内変異の要因である生殖細胞ゲノムの安定性、不安定性を解析する。誘発および自然突然変異体の遺伝子変異の解析を行うとともに、生殖細胞におけるアポトーシスと DNA 修復機構を解析している。


  6. 「配偶子形成、受精の分子機構の解明」
    動物の生殖システムがどのように進化してきたかをメダカをモデルとして解明していくために、配偶子形成、精子、卵の受精の分子機構を解明する。細胞生理学的な解析および配偶子形成、受精における突然変異体の分離、解析を進めるとともに、本研究室で維持されている多くの野生集団、メダカ近縁種において生殖システム、生殖戦略を比較解析している。