なぜメダカの研究をするのか?
 私たちにとって昔から親しみ深い動物であるメダカは、現代の生物学において、有用な実験動物として国際的にも注目されています。
 実験動物としてのメダカの特長は、
  ・飼育が容易である。
  ・卵の膜が透明なので、体ができる発生の過程が容易に観察できる。
  ・交配(かけあわせ)の遺伝学的実験法が確立している。
などが挙げられます。
 私たちの研究室では、メダカを実験動物として、突然変異がどのように生じるのか、またゲノムがどのように進化していくのかに注目して研究を行い、生物の種分化、進化のメカニズムを明らかにしたいと考えています。
 さらに、近年GFPトランスジェニックメダカの作製、ポジショナルクローニング、メダカのゲノムプロジェクトが進められ、モデル生物として将来性が有望視されています。ヒトゲノムプロジェクトは全ゲノムのシークエンスが終了し、見つかった4万とも言われる遺伝子の個々の機能を解析する第二段階に入りました。マウスよりも小回りが効くメダカは、ポストゲノムシークエンス時代における次世代モデル生物として非常に有用になるはずと考えています。